U様邸

2階建ての総2階で屋根材料はガルバリウム鋼板のヨコ葺き。形状は切妻で胸の位置を少し後ろへずらして南面する部分を大きくしています。

 当初から太陽光パネルを取り付けることが決まっており、できるだけ多く乗せるための処置です。

 

外壁の材料は窯業系サイディングと一部ガルバリウム鋼板を使用しています。色味は全体的に落ち着いたトーンでまとまりました。

 屋根の庇とバルコニーを設け、夏場、直射日光が部屋内に侵入し難くしました。

 

「家の作りやうは夏を旨とすべし」とは古くから言われていることですが、四季の区別がはっきりしている日本は建物にとってとても厳しい環境といえます。その中でもできるだけ機械設備に頼らず、快適に暮らし、かつ家を長持ちさせるためには、伝統的な日本家屋形状が理にかなっている部分も多いです。

玄関は建物の南面中心にほぼ位置しており、各部屋へのアプローチがしやすい位置としました。玄関収納は壁と同系色の折れ戸を壁とほぼ同面(フラット)に収めて、存在感がないようにしました。

玄関から入り右手がLDKです。一階は仏間もあり、催事等に多くの人が集まることを想定して、1階の全居室をワンルームで使用できるようにしています。

 このようにするためには柱を抜かなければいけませんが、柱・梁を適切に組めば可能です。

 特殊な材料を使えばある程度のことは出来ますが、コストとの兼ね合いで何ができるか検討します。

 

普段使いの時は可動間仕切りで各部屋を区画できるようにしました。背の高い建具は反りやすいので、建具屋さんとの打合せは注意深く行いました。

(可動間仕切を閉めた状態)

玄関左手の6帖の和室です。天井はシナベニヤをはりました。現場監督さんの勧めで塗装を工場で行ったので、とてもきれいに仕上がっています。

LDKと同様、こちらも襖をあけ放つとワンルームになるようにしました。

 昔の家は田の字に部屋があり、状況に応じて使っていました。限られたスペースを有効に活用するためには、かつての柔軟な姿勢が参考になります。

 

和室の襖は壁クロスで仕上げました。決して大きい部屋ではないので、

占めたときに部屋が少しでも狭く感じないようにしました。

特に大きい家に多いのですが、和室が死んでしまっていることがあります。普段でも催事でも場面に応じて使える部屋として設えました

 

階段は玄関から真正面に位置します。あまり目につかないように。階段のヶ込み板(段の間の垂直面)を壁のクロスと同材の仕上げにしました

階段の有効巾を少しでも多くとるために、階段の手すり壁は薄く仕上げました。

斜めの手すり板と腰壁の方立の取合い部分が複雑にならないように収めました。

余計な線が増えないようにすることで、全体がシンプルに見えます。

照明器具はダウンライトを使用しています。

 

基礎はべた基礎形状です。もともと田んぼのところに造成された土地で、十分な地盤耐力が得られませんでした。今回はジオクロス工法(基礎下に特殊なシートを敷設し、地盤耐力を高める工法)という地盤補強工事を行ったうえで基礎工事を行いました。

地盤補強工事は必要ですが、時に過剰では?と思われる場合もあります。状況に応じた工法を検討します。

構造は木造軸組み工法です。基本的に普段の荷重は梁や柱で負担しますが、地震などの水平力に対してはこれだけで抵抗できないので、構造用合板を貼った耐力壁や筋交いで抵抗します。

居間は耐震、免振、制振など住宅でも多様な方法が用いられています。この場合は“耐震”にあたります。

 

断熱材は発泡ウレタンです。換気口など内外を貫通する配管などは、断熱材の吹きつけの前に施工します。あとから穴をあけると気密性が悪くなるからです。

断熱の材料や方法は様々です。どれも一長一短あると思います。当事務所ではこの方法を採用することが多いですが、それも状況に応じての採用になります

 

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